キャリア支援企画(3)「シリーズ:心理学を現場で活かす~家庭裁判所調査官~」を開催しました

7月27日(木)の4校時に、家庭裁判所調査官の講演会を行いました。家庭裁判所調査官は、心理学を活用できる専門職(国家公務員)の一つです。

講師には、中澤吉高氏(仙台家庭裁判所石巻支部 主任家庭裁判所調査官)をお招きして、「家庭裁判所における調査官の役割」についてお話しいただきました。

ご講演では、家庭裁判所の機能やそこで働くスタッフについて、その中で調査官が果たす役割についてお話を伺いました。少年事件、家事事件のいずれについても、模擬事例を用いたワークを通して、調査官が個々の事例の記録・資料等のどこに着目し、どのような調査をするのかを考えながら、体験的にお話を伺うことができました。
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当日は本学科2~4年生25名が参加しました。参加した学生たちの感想の一部を以下にご紹介します。

  • 家庭裁判所調査官という仕事がどのようなものなのか知らなかったので、仕事内容を知ることができ、とても興味が湧いた。「背景ある問題を探る」という点では先入観にとらわれず、視野を広く、メタ的に物事を認知する力がとても重要だと感じた。
  • ケースによって問題の背景が異なるため、家庭裁判所調査官は、色々な見立てをし、事件ごとに、相手にあった対応をするために、幅広い知識と、柔軟に対応する能力が必要となると感じた。
  • 少年事件では教育的はたらきかけを行うことを初めて知った。調査するだけでなく、少年がよりよく生きるための手助けに関わることができると知り、家裁調査官の役割の重要性を感じた。
  • 調査官になるための知識として、なぜ発達心理学が必要なのか疑問に思った。しかし、少年事件や家事事件(夫婦関係調整)の際に行う子どもへの聞き取りをする時に、子どもの発言だけではなく、態度や表情を見ながら行わなければならないことや、一般的な発達を知る必要があることが理由だと聞き、一見調査官とは関係が無さそうな知識が業務を遂行していく中で必要になることがわかった。大学でそれら全てを網羅的に学ぶことは難しいので、研修での勉強の重要性を強く感じた。
  • 今まで家庭裁判所および調査官について知らないことが多かったので、今回実際に働いている方のお話を聞くことができ、理解を深めることができた。タイミングが合えばオンラインのワークショップにも参加してみたい。

今後も卒業後の進路選択に役立つ企画を行っていきますので、ぜひ参加してください。

(木野記)