11月29日(金曜)の5校時に、公認心理師・臨床発達心理士として病院臨床の現場でご活躍のOGをお招きして、キャリア支援講演会を開催しました。
心理行動科学科に入学してくる学生の中には、カウンセラーを将来の進路の一つとして志望している学生もいます。
そこで今回は、心理学の専門性をダイレクトに活かす現場の一つである心理臨床現場について具体的なお話を伺う機会をもうけました。
ゲストにお招きしたのは、M.O.さんです。
本学卒業後、本学大学院に進学して、臨床発達心理士資格を取得されました。
現在は仙台市内のSS病院で公認心理師・臨床発達心理士としてご活躍の先輩です。
2児の母として、仕事と家庭の両立についてもお話をうかがいました。
今回のナビゲーターは、Oさんの修士論文指導担当教員・大橋先生でした。
本学短大保育科(当時)で保育を学んだOさんは、「子どもが好き」「支える仕事がしたい」という思いをおもちで、保育と心理の間にある仕事がしたいと考えていらしたそうです。短大で児童相談所の先生のお話を聴いたことで、子どもにかかわる心理学を学びたいと思い、新たに開設された本学発達臨床学科に編入。その後、臨床発達心理士資格ができたことを知り、それを目指して大学院に進学されました。大学院では知りたいこと,やりたいことを思う存分学べたので満足しているとおっしゃっていました。
大学院を出てから常勤の心理職に就けるのは稀で、最初はいくつかの非常勤の仕事を掛け持ちしながら働かれます。その後、希望していた児童相談所の心理士の仕事に就けたものの、それも非常勤だったので中学校のスクールカウンセラーの仕事との兼務だったそうです。
ご結婚後も児童相談所と中学校スクールカウンセラーの仕事を続けられますが、第2子ご出産のタイミングで、子育てに重きをおきたいと退職されます。ただ、社会と繋がっていたいという思いから、週に半日だけは仕事を続けられたそうです。妻でも、母でもない、「私」でいられる時間が大切だったし、それが今の仕事につながったと伺いました。
話題は尽きず、時間を超過しての講演会となりました。
心理士としての仕事についてはもちろんのこと、Oさんのこれまでの進路選択、生き方についてお話をうかがい、やりたいことをまわりに伝えて行くこと、自分から動くことの大切さが、学生たちの心に強く響いたようです。
学生たちの感想の一部を紹介します。
- 病院臨床ときいて、精神科をイメージしていたが、Oさんのお仕事は出産されたお母さんたちのメンタルケアだったので、驚いたし、視野が広がった。
- なんとなく心理学を学ぼうと思って入学したが、案外楽しいと思い始めていたので,心理学を活かした仕事により関心をもった。
- 児童相談所でのお話はとても衝撃的だった。私が思っている以上に、心理を仕事にすることはつらく大変なことだし、誰かの人生に関わるということの重みを感じた。
- お話される表情や口調から、心からこの仕事に誇りを持っていらっしゃることが伝わった。
- 今は自信がないが、人を支える仕事に就くのが目標なので、これからそうなれるように努力したい。
- 何かにどんどんチャレンジすること、まわりに自分の意思を伝えることの大切さがわかった。自分から動き挑戦しようとする姿勢にとても憧れた。見習いたいと強く思った。
次回は、3年生向けのマーケティングリサーチセミナーを企画しています。3年生の皆さん参加お待ちしています!
(木野記)