飯淵康一教授が多賀城南門等復元整備検討委員会委員長に選ばれました

生活文化デザイン学科の飯淵康一教授は、平成25年1月24日に開催された第1回「多賀城南門等復元整備検討委員会」で委員長に選出されました。

多賀城は、奈良・平安時代に陸奥国の国府が置かれたところで、平城京・平安京に対し古代東北の政治・文化・軍事の中心地として西の大宰府と並び極めて重要な役割を果たしました。
現在多賀城に当時の建物は何一つ残っていませんが、重要な遺跡であることから大正11年に国の史跡に指定され、昭和41年には特別史跡に指定されています。
築地塀で囲まれた約900m四方の、政庁や役所の置かれた当時の多賀城に加えて、近年発掘の進展によりこの南西側に平安時代の碁盤の目状の町割りも発見され、全国的にもますます注目されるようになりました。多賀城南門は多賀城の南の入り口の門で多賀城のシンボルともいうべき施設です。

この南門を現代に蘇らせようと、平成3年に文化庁や宮城県との連携のもと故・稲垣栄三東京大学名誉教授を委員長として、多賀城市に「多賀城跡建物復元調査検討委員会」が組織され、飯淵教授(当時、東北大学助教授)も建築史学の立場から参加致しました。平成6年には復元基本設計書が出来上がり、翌7年には実施設計書も完成して着工するばかりになっていましたが、諸般の事情により未だ実現するに至っておりませんでした。掲載の復元図はこの時のものです。

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特別史跡 多賀城跡外郭南門及び築地復元図(平成7年時)

今回、条件も整い再出発することになりましたが、復元設計当時から十数年が経過し、その間、多賀城跡の発掘も著しく進展して新しい事実も発見され、また関係する学問や全国における古代建築復元の成果も蓄積されてきましたので、改めて以前の復元案を検討し直しより相応しいものとすることになりました。
新しい委員会の委員は、前の場合と同様、建築史学、建築構造学、考古学、古代史学の各分野から我国を代表する研究者が選ばれています。平成36年が多賀城創建1300年にあたりますが、この年の実現・公開に向けて今後様々な観点から検討していく予定となっています。