生活文化デザイン学科安田研究室では、3年、4年のゼミ生とともに、研修旅行に行きました。場所は神奈川県です。横浜市、鎌倉市、小田原市を訪れました。それぞれの街で建築物や街並みを体験し、いろいろな刺激をもらってきました。
横浜市は、学生にとっても馴染み深く、すでに様々な場所を訪れたことがあるゼミ生が多いので、今回は三渓園を中心に見学しました。三溪園は、神奈川県横浜市中区本牧三之谷にある庭園です。17.5ha(東京ドーム4個分!)の敷地に17棟の日本建築が配置されています。
生糸貿易や製糸業で近代的な事業を展開した実業家で茶人の原富太郎によって1906年に造園され、開園当初よりその庭園は一般に公開されていました。名称の三溪園は原の号である三溪からとられています。原は美術品の蒐集や明治期の画家のパトロンとしても有名で、数寄屋造り、書院造り、茶室、民家、寺社建築などにも大変造形が深いことで知られています。17の建物のなかには、国指定重要文化財などもあり、建築物の移築のために、庭園には池や川まで造成しています。
横浜では自由時間もあって、学生はそれぞれ興味がある場所も見学しています。大さん橋を見学した学生たちは、その折板構造や、空間に興味を持っていました。船や波をイメージした流線形のフォルムが特徴で内部に柱や梁のない巨大な屋内空間を実現し、床が折り重なるような斬新でユニークな建築デザインとなっています。設計は設計コンペで選ばれたエフ・オー・アーキテクツが担当しました。当時は設計案が海外建築誌の表紙を飾るなど大変話題になった建物です。
その他、神奈川県庁やBASEGATE横浜関内(旧横浜市庁舎跡地の再開発街区)、中華街なども訪れました。
港町としての横浜の文化、歴史、建築、貿易と海外とのつながりなどを実地で学びました。
鎌倉市では、鶴岡八幡宮をお参りしたあと、鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムを見学しました。
この建物は、ル・コルビュジエに師事した坂倉準三が設計した日本初の公営美術館です。戦後、神奈川県の美術家や学者から美術館が必要であるという声をうけて、1951年に神奈川県立鎌倉近代美術館として開館しました。その後、65年間にわたり様々な美術展が開催される日本屈指の近代美術館として活動しました。敷地の借地契約満了に伴って、2016年に閉館しましたが、建物は神奈川県指定重要文化財に指定され、鶴岡八幡宮に譲渡、新たに鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムとして2019年に開館しました。
八幡宮の平家池に突き出したピロティ構造や大谷石の壁が特徴で、戦後モダニズム建築の傑作として高く評価され、2020年には建物が国の重要文化財に指定されています。
研修の締めくくりは、小田原市に行きました。観光地として有名な箱根や小田原城ではなく、根府川という少し寂しいJRの駅から目的地に向かいます。
送迎バスで向かった先は、江之浦測候所です。
ここは、現代美術作家・杉本博司が設計した壮大なランドスケープを体験する場所です。海を望む自然豊かな敷地内にギャラリーや野外舞台が点在し、古代人の感覚で天空や四季の移り変わりを体感できるアート施設となっています。
あいにくの雨でしたが、つるつる滑る足元に気をつけながら、杉本ワールドを体験してきました。
駆け足の神奈川県研修旅行でしたが、建築、歴史、まちづくり、社会風俗と学びの多い旅行となりました。










