教員のリレーエッセイ:食品栄養学科 准教授 鎌田 由香

 鎌田由香(かまだゆか)と申します。管理栄養士を養成している食品栄養学科で臨床栄養学を担当しています。臨床栄養学は、傷病者や高齢者の栄養ケア等について学ぶ科目です。
 2020年、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、私達を取り巻く環境は大きく変わりました。集団感染防止のために三密(密閉・密集・密接)を避ける、マスク着用、手洗いなど、常に自分自身の行動に注意をしなければなりません。大学生最後の卒業式でさえ、今年はマスクをしたままで写真を撮影しました。

 この新型コロナウイルスに負けないように、栄養面から支えていくのが管理栄養士の大切なお仕事です。栄養の摂取が過不足になると免疫システムが機能しにくくなり、ウイルスに対する抵抗力は低下します。免疫能を維持するには、栄養バランスの取れた食事が重要になります。栄養バランスの取れた食事にするためには、主食・主菜・副菜をそろえることが基本です。様々な理由により栄養のバランスが崩れ、免疫能が低下している人には、食事の改善により、免疫能を回復することが可能になります。栄養バランスが崩れる理由は、個々に異なりますから、その理由に合わせて食事の改善内容を提案していくことができるのが管理栄養士です。

 食べることは、単に栄養を摂取することだけが目的ではなく、楽しくて心が満たされるものです。早く旅先で美味しいものを食べたいです。それができないうちは、密にならない屋外で自分だけの世界に入ります。我が家で毎年恒例のキャンプでは、お天気が良ければ外を見ながらボーッとして過ごします。ピザの生地作りから始まり発酵させ、スモーク料理を作りながらいつの間にかウトウトし、時間をかけて作ったスモークチキンや卵はピザの具材になり、家庭菜園で作ったドライバジルを乗せて、自家製ピザが夕食になります。夜になったらテントの中から見える光景が変わり、外を眺めながらゆっくり時間が過ぎていく。コロナ禍のキャンプは私のプチ贅沢です。