就職内定者の声 [1] 神奈川県英語教員 佐藤裕香さん

英文学科4年の佐藤裕香さんが、今年度神奈川県教員採用試験に合格し、2019年4月から中学校英語教諭として働くことが決まりました。

以下、佐藤さんからのメッセージです。

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私が英語の教師を目指した理由は、中学校の英語の授業を変えたいと思ったためです。私が受けてきた中学校の英語の授業は訳読がメインのもので、今まで英語を勉強したことがなかった私にとっては大変苦痛でした。その後、とあるきっかけがあり、英語を勉強し始めたのですが、その時に英語の魅力に気がつき、中学校で英語を教え、かつての私のような生徒を手助けできればと思うようになりました。

そのため、大学を選ぶ際は自分の英語力を伸ばせるところを考えていました。英語を学べる多くの大学において英語力育成授業や留学制度が用意されていますが、私が宮城学院を選んだ理由は学力に合わせた少人数制の授業に魅力を感じたためです。英語基礎科目の授業は1クラス20名程度で、先生との距離が大変近く、大学としては珍しい環境だと思います。そのおかげで、speakingやwritingといった独学では難しい部分もしっかり学ぶことができました。また、英文学科生だけが使えるEnglish Speaking Loungeでは英語母語者と1対1で話すことができたりと、ほかの大学にはない魅力を感じ、入学を決めました。オープンキャンパスで訪れた時に感じたアットホームさも大きな決め手の一つです。

4年間の大学生活を振り返ってみると、この大学を選んでよかったと心の底から思います。なぜならば、大学の講義で身に付けたものが教員採用試験の中で生きていたからです。教員採用試験の1次試験では全ての自治体で専門科目と教職教養の筆記試験が行われます。教職教養に関しては授業で1度触れた程度であったため、膨大な量をカバーするために時間がかかりました。しかし、専門科目の英語に関しては、1,2年次にしっかりと基礎力を磨いてきたおかげで直前に焦ることなく、自信を持って試験に臨むことが出来ました。3,4年時の英語学コースの授業では、英語の仕組みや、第二言語習得の理論などを学習しました。それらは中学生向けの授業を構成するために大変役に立ちましたが、それ以上に役立ったのは、英語学コースの授業の中で身に付けた様々な角度から物事を考える姿勢です。英語学コースの授業では先生が一方的に教えるのではなく、生徒同士で考え、新たなことに気が付くという機会が多く与えられていました。何か問題が起きた時に複数の可能性を考えるということは教員を目指す人にとって大切な資質です。それを授業を通して身に付けることができ、二次試験の面接で力を発揮できたということが試験の合格につながったのではないでしょうか。

採用試験を受けて感じたことは、試験に合格することは本当に難しいということです。会場には30代~40代の講師経験者の方々もたくさんいましたし、会場全体がただならぬ緊張感で包まれていました。絶対に受からない、試験会場で私はそのように考えてしまいました。そんな中で信じられるのは今まで自分がしてきた努力だけです。もし、この記事を読んでいる人が既に教員になろうと決めているならば、今すぐに対策を始めてください。教員採用試験の対策とはどんなに時間があっても足りないのです。参考になるか分かりませんが、私が行った勉強を紹介したいと思います。

まず、専門科目についてです。先にも述べました通り、専門科目に関しては特別対策をしていません。1年次からTOEICを受け続けていたので、その対策を継続していたくらいです。普段からEnglish Speaking Loungeも使用していました。試験の2か月ほど前から長文読解をなるべく時間をかけずに出来るよう、センター試験の過去問と大学入試の過去問を解いていました。

教職教養はかなり時間をかけて勉強をしました。3年次の時事通信社の教職教養の要点理解と教職教養の演習問題の2冊を購入し、要点理解を読んで内容を把握し、演習問題で弱点を見つけるということを何度も行いました。その後、協同出版社の過去問の最新版がでたらすぐに購入し、受験自治体の過去問を5年分ほど解き、傾向を分析しました。過去問に載っていたものは全て要点理解の方にチェックを入れて、いつでも確認できるようにしていました。これだけでは知識がかなり偏ってしまうため、教職課程が増刊号で出している教員採用試験に必ず出る問題という雑誌に載っている問題も繰り返し解いていました。問題を解いていて分からないものは必ず解説を読み、要点理解の方にチェックを付けます。もし、要点理解にその項目のことが記載されていなければ、書き込みます。そうすることでより密度の高い参考書が完成します。私の勉強方法が少しでも教員を目指す皆さんの役に立てばと思います。

こうして無事に合格をつかむことが出来たのも周りの方々の支えのおかげです。ですが、私はまだ自分の夢のスタート地点に立ったばかりです。今後は英語の文法だけでなく、海外の文化や英語を使用したアクティビティなどを使用して生徒の知的好奇心を引き出すことだ出来るよう努力を続けていきたいと思います。

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佐藤裕香さん

宮城県立古川黎明高等学校卒業、2019年3月宮城学院女子大学英文学科卒業予定