英文学科主催 村上リコ氏講演会を開催しました

12月1日(木)文筆家・翻訳家の村上リコ氏をお迎えして、

英文学科主催「スペシャリスト講演会・村上リコ氏講演会」を開催しました。

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スペシャリスト講演会①「アニメ『黒執事』『英國戀物語エマ』にみる19世紀イギリス」

アニメの時代考証や脚本を手掛けている村上さんが、ご自身の今の仕事を行うまでのことや、当時の時代の文化をアニメに反映させる時代考証のお仕事についてお話されました。

仕事で得たノウハウを生かして一人で思う存分表現したい思いが募り、会社を辞めて独立したキャリアや、調べた知識を忠実に反映させながらも、監督からのより絵になるイメージに応じる兼ね合いから、村上さんのお仕事の大変さが伝わりました。

時代考証を手掛けたアニメのシーンを取り上げ、わずかな瞬間でも当時のイギリス文化を反映させようと苦心する村上さんの仕事ぶりを感じることが出来ました。

 

スペシャリスト講演会②「英国カントリー・ハウスと家事使用人」

村上さんが実際に訪れたカントリーハウスの写真や当時の風刺画を用いて、19世紀のイギリスの身分制度や、家主と家事使用人の生活文化について語っていただきました。

ヴィクトリア朝時代のイギリスは、身分制度が根強くあり、家人と使用人の生活は大きく異なっていたこと、家事使用人の間にも男女差や家主に近い/遠い存在といった違いで格差があったことを詳しく説明されました。

特に興味深かったことは、家主が季節やイベントに応じて屋敷を移動し、使用人を使って大規模な引っ越しを一年中行っていたことなど、私たちには想像がつかないような生活があったことです。

カントリーハウスは、家主が生活を送る部屋だけでなく、舞踏会や迎賓のための立派な部屋や、使用人の素朴な内装の部屋といった身分の違いが交差する場であったことが今回の講演会で分かりました。

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