2022発達科学研究所公開シンポジウム「就学前教育の過去・現在・未来:赤ちゃん学から見た教育」が無事に開催されました。
本シンポジウムには、学内外から多数の学生、保育関係者、医療関係者など、ご参加いただき、盛会のうちに終了することができました。就学前教育に関わる我々にとって、大変貴重な研究成果を知り、ディスカッションする機会が取れたこと、感謝申し上げます。
基調講演の開一夫先生(東京大学教授)には「赤ちゃん学から見た教育」というテーマでご講演いただきました。特に印象に残っているのは、教育にはインタラクションが必要で、即時フィードバックがキーになるという大変貴重な研究成果でした。
話題提供の國藤進先生(北陸先端科学技術大学院大学名誉教授)には「三つ子の魂百まで」というテーマで、幼児期の原体験の大切さをご自身の生活体験と研究生活を交えてご報告いただきました。
野元伸一郎先生((株)kiipl & nap)には「未来志向の幼児教育」というテーマで、自分で考えること、一緒に考えること、それに加えて、国際社会では相互理解が大切であるとの示唆に富む話題を提供いただきました。
ここ数年、「親の干渉は、極端に言えば幼稚園以前に終わっているべきです」(井深大『幼稚園では遅すぎる』サンマーク出版)を出発点として、幼児教育の在り方を検討してきました。本シンポジウムのブレイクアウト・質疑応答の時間には、会場から「幼児期に経験しておきたいことは?」「絵本がどうやって作られたのか?」「幼児教育のカリキュラムに必要なことは?」といったこと、つまり幼児期の認知能力・非認知能力をどのように伸ばすかに焦点づけられたと考えます。
今後、認知科学からのヒントを幼児教育に生かしていければと考えます。
以上(文責:西浦和樹)