去る2021年12月4日(土)、2021年度キリスト教文化研究所公開講演会が開催されました。
今年度は、京都精華大学学長 ウスビ・サコ氏を講師にお迎えし「日本の次世代のこれから~多様化する世界で活きよう~」をテーマに、グローバル時代を活きるためのコミュニケーション、ライフスタイルのあり方についてお話を伺いました。
本講演会は、本学講堂を対面参加会場にし、YouTubelive配信を行いました。会場で対面参加はもとより、配信映像も多くの方にご視聴いただくことができました。
当日の会場では、率直かつユーモアあふれるサコ先生のお話に、会場の参加者がどんどん引き込まれていく様子が伺えました。終了後のアンケートには、たくさんのコメントをいただきました。
以下に参加者の皆様から寄せられた感想の一部をご紹介させていただきます。
■自分にはない考え方を知ることができた。日本という概念に囚われずに、広い思考持つことが大切だと改めて考えさせられた。
■サコ先生の率直な話し方、ユーモアが楽しかった。日頃感じている日本人のステレオタイプな見方・考え方・生き方・人間関係を指摘してもらい、我が意を得た気がしました。サコさんの笑顔を見ながら、「多様化する世界を楽しく生きたい」と思いました。ありがとうございました。
■マイノリティを優先するのではなく、マジョリティーの意識を変えていくという考え方がとても素敵だと思いました。日本は生まれた時からフレーム化された社会の中で生きていかなければならず、とても生きづらいと感じます。マジョリティーの意識を変えていくことは、容易なものではないと思いますが、日本という国の文化について考え直したいと思いました。
■多様性といいながら、結局は多様性という枠組みにはめてものを見ていることに気付かされた。ユーモアあふれるとても面白いお話でした。
■差別は、異文化圏に属する他者を一定のフレームに収めることで生じるということ、異文化を通じて自分を見つめ直すということがお話のなかで印象に残りました。日本人は相手に嫌われないように、相手の心情をくみ取ろうとしすぎて、無意識のうちに見えない壁をつくってしまう性質があるということは私も日々感じています。そうすれば余計なトラブルを起こさずに済むと考えているからです。外国人も日本人と接するなかで煩わしさを感じていることが多いと思います。グローバル化する社会に生きる私たちは、異文化交流で相手のことだけでなく自分の内面も理解することが大切であるとこの講演で感じました。
■マリと日本の文化の差が感じられて面白かったです。日本の文化を客観的に見ることが出来ました。日本の教育の問題は私も日本人ながら感じていました。子供を個人として見ていないのは本当に問題だと思います。自信の無さの裏返しで排他的になってしまうというのが意外で、それでも何かストンと腑に落ちるものがありました。日本人にとって自分のアイデンティティーを持つのはとても難しい事ですが、どうしたらそれが出来るのか考えてみようと思いました。
多くの参加者の心を動かし、新たな気づきをくださったウスビ・サコ先生に、心より感謝を申し上げます。
キリスト教文化研究所では、多くの方々からいただいたご意見ご感想をもとに、今後も社会のニーズにあったテーマを取り上げ、学外の方々にも参加いただける講演会・シンポジウム・研究会などを企画していきたいと考えておりますので、ご参加いただければ幸いです。
2021.12.4サコ先生と学生ボランティア