教育学会健康教育専攻企画「使っていない身体感覚を発見しよう~エコーロケーション~」が開催されました。

1月17日に健康教育専攻企画として「使っていない身体感覚を発見しよう~エコーロケーション~」が開催されました。健康教育専攻の学生はじめ、沢山の教職員の方にもご参加いただきました。ありがとうございました。

講師に松川恵理子さんをお招きして、エコーロケーションについての講演とワークショップを行いました。自分が出した音が物に当たって跳ね返ってくる反響を利用して、距離や物の大きさを知るエコーロケーション(反響定位)を松川さんは日常的に使っており、私たちも実際に体験することができました。

はじめは音を出しながら分厚い本を自分の顔に近づけていき、すれすれで止めるというところから始まりました。参加者の感想としては「近づけていくと音の聞こえ方が変わったところがあった」「圧迫感を感じるところがあった」など普段はあまり感じることのない感覚を発見している様子が見られました。本が慣れてきたら次は壁に向かって歩いていき、ぶつかる前に止まるということを行ったり、最終的には廊下に出てエコーロケーションを使って廊下の真ん中を歩き続けたり、空いているドアの前で止まるという応用編まで挑戦してみました。中にはエコーロケーションの才能を発揮している方も見受けられました。各々エコーロケーションの難しさや普段どれだけ視覚に頼っているのかなど様々な思いを感じたようでした。

松川さんは教室の構造や人の動き、物の位置などをエコーロケーションで把握しており、大変驚かされました。松川さんが見えない人と見える人という関係ではなく、同じく聴こえる人としてワークをしていると言われたことが印象的でした。さらに、お話の中で、日常で障がいを持っている方を見かけた時などの対応の話を聞いた時に改めて考えさせられることも多くありました。このワークショップは新しい身体感覚や考え方に出会う機会となりました。

【松川恵理子さん】
盲導犬のFadaと一緒に生活しておられ、日英翻訳家・通訳者・英語教師としてご活躍されています。