インド実習に行ってきました!Part1

1.実習の目的
 宮城学院女子大学学芸学部人間文化学科では、2024年度にインドでフィールド実習をおこなった。その様子について紹介する。インドの実習としては7回目になる2024年度の実習は、12月15日~29日の15日間にわたり、1年生5名、2年生3名、3年生4名、4年生2名の14名の学生が参加しておこなった。本実習の目的は、ウッタル・プラデーシュ州にあるヒンドゥー教の聖地ベナレス(ワーラーナースィー、ヴァラナシ)で調査実習をおこなうとともに、インドの首都であり、北インドの中心都市であるデリー、イスラム教の聖廟タージ・マハルのある街アグラ、ラジャスターン州の州都であり、藩王国の中心地であったジャイプールの街という異なる文化背景をもつ都市を訪れ、世界遺産を実際に見ることにより、南アジアの文化や社会についての理解を多面的に深めることにあった。本実習では、14名の学生が3つのグループに分かれ、インド実習事前指導の授業で、信仰観、食文化など、興味あるテーマを設定し、英語のアンケートを作成した。ベナレスで、調査実習をおこない、そのさいに、現地の学生に調査補助をしてもらい、同世代の学生との交流もはかった。

2.デリーでの交流会
 12月15日午後に仙台駅に集合し、新幹線と京急で移動し、羽田空港近辺のホテルで前泊した。16日昼の飛行機でデリーに向かい、夕方、デリーに到着した。17日は、ラクシュミー・ナラヤン寺院を訪れ、11時から13時半まで、国際交流基金の日本広報センターで、日本語を学ぶ受講生たち10数名と交流会をおこなった。アンケートやインタビューを実施したのち、折り紙を教えたり、日本のお菓子を食べてみたりして。予定時間を過ぎても交流は続いた。昼食でインド料理を食べた後、15時から、インド国立博物館とインド門を見学した。インド国立博物館では、ヒンドゥー教や仏教の彫刻や美術品に魅了され、メモをとりながら、熱心にみてまわる学生たちの姿がみられた。

3.ベナレスでの調査実習と交流会
 18日の午前中の飛行機で、ベナレスに移動した後、釈迦が最初に教えを説いた初転法輪の地であるサルナートを訪れ、仏塔などの仏教遺跡やサルナート博物館を見学した。19日~21日は、バナーラス・ヒンドゥー大学(以下、BHUと略記)の大学内やショッピング・モールなどで、グループごとにアンケート調査をおこなった。そのさいに、BHUの日本語学科のアナンタ・プラサード先生の協力を得て、日本語を学ぶ学生たちに、調査補助をおこなうチューターとして、各グループ3~4人ずつについてもらった。21日の午後は、ガンジス・クルーズをおこない、サリーなどの買い物をしたり、ベンガリー・トーラーなどの小道を散策したりした。夜は、ガンジス河でヒンドゥー教の礼拝をボートから見学し、学生たちは、沐浴場(ガート)の幻想的な雰囲気を楽しんでいた。
 22日は、それぞれのグループで、チューターさんとともに、ショッピング・モールやアッシー・ガートなどで調査をおこない、その後、アンケートの記述についてチェックをおこなった。夜には、お世話になったアナンタ先生やチューターさんたちを招いて、ミン・ガーデンという中華料理の店で、交流会をおこなった。学生たちはサリーに着替え、チューターさんも民族衣装で着飾り、食事を楽しんだり、プレゼントを交換したりとにぎやかな交流会となった。最後は、別れを惜しんで、涙を流す学生もおり、感動的な交流会となった。

                          実習担当教員 八木祐子