人間文化学会主催、Triangle共催で、2024年11月5日の昼休みに、オンラインで「ネパールの女の子たちの早すぎる結婚と教育」というテーマの講演会を開催しました。講師は、NGO団体であるプラン・インターナショナル・ジャパンのプログラム部シニアオフィサー、船越美奈氏さんです。
船越さんは、プラン・インターナショル・ジャパンの活動内容やご自分がNGO団体に勤めるようになったキャリアの話から講演をはじめ、ネパール南部のダリトと呼ばれる最下層の人々の生活実態や屋根のない青空教室での授業やトイレの未設置などの劣悪な教育環境について、スライドをもちいて、わかりやすくお話をされました。とくに、児童婚やダウリーの問題、男性に比べて女性の教育レベルが極端に低いこと、それに対するプラン・ジャパンの具体的な支援、また、学校建設やトイレの設置についても具体的に紹介され、成果があがっていることがわかりました。学生の感想をいくつか紹介します。
「船越さんが現地で実際に体験したことや写真をみながらのお話で、現地の様子が鮮明に伝わりました。」「18歳未満で結婚している女の子が世界に1200万人もいることに驚きました。早すぎる結婚は、単に早いからという問題だけではなく、女の子自身の健康被害や教育の問題、乳児の健康被害など、様々な影響があることがわかりました。」「教育よりも結婚という意識が強いことに衝撃を受けました。今日は学校に通えているが、明日は学校をやめなさい、結婚しなさいと言われる女の子が多くいることを学びました。子どもの権利を守るためには、その子どもの親の理解や親への支援、そしてまわりの人々も含めた意識変革が必要だと思いました。」「ネパールの女の子たちは、男女格差、経済格差、慣習など様々なしがらみのなかで生活しており、自らの力で自由をつかむことは困難なことだとは思いますが、この現状を広く伝え、改善していくためにプランの活動があり、現地の人々にとってはとても重要な役割を果たしていることがわかりました。」「国際協力に関する仕事について興味があったため、実際にどのようなバックグラウンドをもっている人がどのように働いているかを知ることができて、良かったです。」「海外で働くということは言語や生活文化がまったく異なるから大変だと思いますが、そのなかで、子どもの権利のために貧困層を支援する活動を続けていることに感銘を受けました。あきらめさえしなければ、できないことはないという船越さんの言葉が印象に残りました。」
人間文化学科の授業でとりあげているテーマとも重なり、昼休みという短い時間でしたが、開発途上国の女の子のジェンダー課題について、あらためて知ることができた良い機会になったと思います。