日本語パートナーズ派遣生の現地レポート

人間文化学科の学生が現在、国際交流基金が主催する日本語パートナーズの派遣生としてマレーシアに滞在中です。その学生から届いた声をお伝えします。

 

「マレーシアで奮闘中―日本語パートナーズの日々」

人間文化学科4年 横澤萌佳

私は、現在、国際交流基金が主催する日本語パートナーズの派遣生として、3月中旬からマレーシアに滞在しています。現地では、中等教育機関で日本語教師のアシスタントとして活動をしています。具体的には、板書や教科書の音読、生徒との日本語会話の練習、日本文化の紹介などを行っています。
赴任当初、私は現地の日本語の先生から「生徒たちを日本語で会話ができるようにしてほしい」と依頼をうけました。生徒たちが話しかけやすいように、学内の日本語教室に常に滞在するようにしています。最初は、クラスの中でも日本語を上手に話すことができる生徒のみが毎日同じ時間に来ていました。しかし、「日本語を上手く話せないけど、頑張って話したい!」という生徒が段々と日本語教室を訪れるようになりました。ノートに今日話す文章を書いてきて、ドキドキしながら日本語で会話をしてくれます。
また、毎回の授業で行っている単語テストのノートに「カルタは楽しかったですか?」などとコメントを書き、生徒から「たのしかったです。カルタすきです。」と言ったやり取りを行っています。このやり取りから、私のところに会話をしてくれるようになった生徒もいます。半年前まで、「私は自信が無い」と話していた生徒や「日本語が話せない。」と言っていた生徒が、日本語のスピーチコンテストに出場したり、授業内外で積極的に話しかけたりしてくれるようになりました。
7月に、宮城学院女子大学人間文化学科の学生と手紙交換を行いました。ほとんどの生徒が、初めて日本人へ日本語で手紙を書きました。そのため、「書き出しは何と書けば良いのか?日本人は何を書いたら喜んでくれるのか?」などと考えるきっかけになったようです。宮学生からの返事が来た時は、「かわいい~!!」と喜んでいました。生徒たちは、「ずんだ餅ってなに?」、「宮城学院女子大学は綺麗な学校だね!」、「仙台に行ってみたい!」などと盛り上がりました。宮学生から手紙を貰ってから、授業内で例文をつくる際に「仙台に行ったことがありません。」などと、仙台を使った文章を作ってくれるようになりました。
コロナ禍によって、国際交流が全くできない状況が続いていました。そのため、手紙交換という方法で国際交流ができたことは、生徒たちにとって、大変嬉しい出来事だったと思います。ご協力いただいた皆さん、本当に有難うございました。
このように、マレーシアで私は毎日奮闘中です。しかし生徒と全力で向き合っているからこそ学ぶこともたくさんあります。「恥ずかしいけど、不安だけど、頑張る。日本人と話せる環境を無駄にしない」という姿勢は、生徒たちから日々学んでいます。
日本とマレーシアは「言語」、「価値観」、「宗教」など、文化が大きく異なります。イスラム教徒が多数を占める環境で少数派として過ごすことや、異なる文化に適応することに難しさを感じるときもあります。そのなかでも、与えられた素晴らしい機会に感謝しながら、文化の違いを楽しみ、残りの日々を過ごしていきたいと思います。

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