第5回公開研究会「子どもが育つ居場所づくり」を開催しました

文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」東日本大震災を契機とする<地域子ども学>の構築-子どもの視点に立ったコミュニティ研究の拠点形成-宮城学院女子大学 地域子ども学研究センター主催

2019年9月24日(火)第5回公開研究会を開催いたしました。

一般社団法人Future Center Alliance Japan 理事兼コクヨワークスタイル研究所 主幹研究員の齋藤敦子氏をお招きし、「子どもが育つ居場所-社会共創の方法論-」と題しまして「北欧版フューチャーセンター」について実践知と世界的動向などの具体的事例に基づいてご紹介頂きました。

 

 

フューチャーセンターは、1996年に北欧で未来志向の共創の場として生まれ、日本では2008年から主に民間企業によってオープンイノベーションを実践するための場として広がりました。昨今は、ビジネスだけでなく、政策形成や社会変革など、より社会へ向けた新たな動きへと変化しつつあります。

「人生100年時代」へ向けた取り組みや、私たちへの問題提起など様々な事例をもとにわかりやすくお話していただきました。現状の課題を知ることで、未来に対してどうアクションしていくか学生たちの「気づき」の場となりました。

講演会後のアンケートより、

「産業も経済も新しい経済/社会モデルが必須であること、一つの尺度ではない多様な価値観、柔軟なシステムが求められていることから、社会共創が必要であることが分かった。ティーンエイジャーなどの若者が世界を動かしていく姿をみて私たちも行動し、社会の取り組みに参加していく必要があると思った。」

 

「社会共創を前提として今後を考えていくことが大切。リーダーシップももちろん大事だが、そのリーダーについていくフォロワーシップも必要だということがわかった。新しいものを導入しようとするとどうしてもそれ自体が目的となってしまうが、それを導入した後の暮らし、環境を目的とするべきなのだと改めて感じた。」

 

「日本人は自分のこと、社会のこと、世界のことにだんだん興味が薄れていて、だからこそフューチャーセンターなどの面と向かい円になって議論することをしなくなっていたり、知らない人が多いと思う。この事業についてもっと広めてほしいし、若い人がもっと積極的に参加できるような場所でやって欲しいと思う。」

このような数々の当事者意識をもった感想が寄せられました。

 

また同日、引き続き発達心理学をご専門とする東北大学災害科学国際研究所 上山真知子特任(客員)教授をお招きし、「子ども・災害・レジリエンス」と題し Ordinary Magic : Resilience in Development, Ann S.Masten教授(2014)をふまえてお話して頂きました。学術的・専門的立場から実りある講演を伺うことができました。ご講演いただきました講師の皆様、ありがとうございました。