2021年2月26日(金)私立大学研究ブランディング事業完成年度シンポジウム「子どもの育ちを尊ぶ―世代を超えて地域子ども学をつなぐ」を開催しました。
当日はオンライン(生配信)で市民、本学の学生、教職員など110名を超える参加がありました。
総合司会は丹野久美子生活科学部・食品栄養学科准教授、地域子ども学研究センター運営代表の足立智昭教育学部教授 の開会挨拶で始まりました。第1部「子どもの育ちを尊ぶ―地域文化と子どもの視点」では、宗教学者の山折哲雄氏から本学の地域子ども学に寄せられたメッセージ「わらべと翁―日本の地域文化」を黒田弘子氏(本学OG)の朗読で紹介しました。その内容には、老人の未来性と子どもの存在、この国の文化伝承、「小さ子」たちの世界といったメッセージが込められました。続けて、山折哲雄氏と本学の天童睦子一般教育部)教授との電話対談「東北発の子どもと文化」が行われました。対談では「半跏思惟像と座の文化」「沈黙,待つ,聞くこと」「めんこいとはんなり」「東北の地域文化」といった内容が語られました。
また、本学音楽科 鈴木うららさん歌、菅野梨々子さん伴奏による学生歌唱、「地域子ども学と学生の取り組み」として学生ボランティアFood and Smile!の三浦絵里香さん、遠藤真子さん(食品栄養学科3年)、ボランティアさくらレオクラブ有志の田中友理さんと佐竹美来さん(同本学英文学科2年)による活動事例報告が行われました。
第2部はフィンランドとオンラインでつなぎ、マリッタ・トッロネン教授(ヘルシンキ大学・社会福祉学)による講演「フィンランドにおける子ども・若者のウェルビーイングの推進」がフィンランド語で行われました(通訳 ヒルトゥネン久美子氏)。コメンテーターに木脇奈智子氏(藤女子大学教授)をお招きし、西浦和樹教育学部教授が討論者を務めました。最後に末光眞希学長による挨拶がありました。
ここで、シンポジウム後に寄せられた感想を、一部ご紹介します。
「素晴らしい第一部に感銘感動です。日本的なこころのグローバルな普遍性に関心を持つ私にとって、山折先生の「沈黙、待つ、聞く」という座の文化、コミュニケーションスタイルは心につきささりました。第二部(北欧とつなぐ)との関連性まで考えられた今日のシンポジウムのデザインに脱帽です」(海外在住市民)
「子育て支援を考える上では、子どもとその家庭だけではなく、家庭を取り巻く地域という視点まで視野を広げて考える必要があるということを改めて感じました」(生活文化学科2年)
「今回のシンポジウムでは、新しい発見がありとても有意義な時間となった。老人への弱者観が社会の中で弱者と強者とを分ける価値観を作り上げるのだという視点に初めて出会い、気付かされた。座の文化では、コロナ禍におけるインターネット社会のコミュニケーション不足問題に目を向けさせ、人の思いに耳を傾ける大切さを改めて感じた」(幼児教育専攻2年)など
2018年度~2020年度本学ブランディング事業<地域子ども学>の構築にご参加、ご協力くださったすべての方に感謝いたします。
今後の活動にもご期待ください。