2020年度第5回公開研究会「子どもの幸せについて考えよう~デンマークの教育・日本の教育~」を開催しました

2020年11月19日(木)2020年度第5回公開研究会「子どもの幸せについて考えよう~デンマークの教育・日本の教育~」をオンラインで開催しました。
当日は本学の学生、教職員など外部の方含め128名の参加がありました。
今回は、コーディネーターに本学足立智昭教授(本学 教育学部/地域子ども学研究センター運営代表)、丹野久美子准教授(本学 生活科学部食品栄養学科)、学生企画として本学教育学部幼児教育専攻 4年星未織さんの進行により、ディスカッションが進められました。
講師として、デンマークから高橋まゆみ先生にご参加いただき(デンマーク ブレネルップ・ホイスコーレ国際交流コーディネータ)、デンマークでの教育の理念、在り方についてご紹介いただきました。また、本学附属森のこども園教諭、庄子いづみ先生、阿邉直美先生より森のこども園の紹介やデンマーク研修の報告も行われました。
当日は、参加者の皆さんからのチャットの質問にも答えながら働き方の違い、子育てに対する地域や保護者との関わり方、教育について等幅広いテーマでディスカッションが行われました。
デンマーク在住の留学生にもご参加いただき、現地での同世代のリアルな声をきくことができ参加した学生も刺激を受けたようです。今回の研究会では、たくさんの対話が生まれ今後に繋がる研究会となりました。

一部、アンケートで寄せられた感想をご紹介します。

「子どもとの向き合い方や教育について新たな視点や考えを得ることができました。それぞれの国によって政策は異なりますが、子どものことを第一に考えて教育することに変わりはないと思います。その手段や方法を模索し続けながら、子どもたちと対話する教育を私も自分なりに考えたいと思いました。とても貴重なお話を聞かせていただき有難かったです」

「哲学対話に興味があり、興味深く拝聴しました。「語り」と「対話」は幼児期の子どもたちにとって、その後の人格や心を形成していく上で、大切な要素の一つであることを再認識できました。個人の尊重の中に「責任」があるという言葉が印象に残りました」

「北欧の国では、ジェンダー平等や教育が世界的にも進んでいることは知っていましたが、実際にどのような教育がなされているのかというリアルな現場・声はあまり見たり聞いたりしたことがありませんでした。今回のワークショップで、デンマークで研修をした方の体験談を聞くことができ、日本とは大きく異なるデンマークの教育に非常に驚かされました。日本でも個を大切にするという考えはありますが、集団内の多くの規律がありそれに従った上での話で、個は二の次であると感じます。デンマークのように個を大切にする場であると、自分の意思を強く持つことができ、ディスカッションをする際にも周りからの批判というものに恐れることなく、自信を持って発言することができると思いました」

■企画者 星さんコメント
今回のデンマークワークショップでは現地に勤めている教員だけでなく、デンマークにいる日本人留学生、北欧保育を取り入れている本学附属のこども園の職員など多くの方にご出席いただき、様々な観点からデンマークの保育を深めることができました。「子どもの幸せについて考えよう ~デンマークの教育・日本の教育~」というテーマで行われたイベントでしたが、私は「対話」と「コミュニティ」がキーワードになると感じました。
教育者のグルントヴィは言葉を通して話し合う大切さを主張しており、今でもデンマークでは対話や歌によって人との繋がりが生まれ、コミュニティを築いています。このコミュニティという互いをサポートし合える環境があるからこそ、子育てにおける問題を解決できているように思います。
次年度から私は幼稚園教諭になりますが、保育の中で子ども達に言葉を通して対話する大切さを伝え、子ども達の中のコミュニティを広げたいと思います。

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この度講師をおつとめいただきました高橋先生はじめ先生方、関係者の皆様、またご参加いただきましたみなさま、誠にありがとうございました。
次回の研究会もどうぞご期待ください。