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各方面で活躍する
卒業生の様子を紹介します
 








 2010/12/9

REPORT
テーマ:きく・よむ・ひく Part W
 〜多声音楽(ポリフォニー)の響きと対話


第1部(大学生の部) の様子をご紹介します

・フーガの場合
J.S.Bach 平均律クラヴィーア曲集 U巻 第2番 ハ短調
・ソナタの遅い楽章の場合
L.v.Beethoven  悲愴ソナタ 第2楽章 変イ長調

 

出席した学生のレポートから・・
 公開講座では、バッハの平均律クラヴィーア曲集U巻の第2番 ハ短調と、ベートーヴェンの悲愴ソナタ 第2楽章 変イ長調を取り上げて、多声からなる楽曲の構成を学びました。
 前半はバッハのフーガについて、まずはフーガそのものについての説明がありました。私はバッハのシンフォニアや平均律を弾く前に、必ずテーマを探し、反行形や拡大形などがあれば注意して練習するようにしていました。しかし、この講座やソルフェージュの授業で、ただテーマを繰り返しているのではなく、初めのテーマに答える形で次のテーマが出てきていることや、テーマが次々と出てくるストレッタというものが曲に切迫感を生む、ということを知りました。
 実際に曲を弾いたり、各声部を歌うことで調性の変化や響きをより感じることが出来たと思います。特に19小節からの全ての声部が揃う部分は、テーマを大きく出すという意識よりも幅広く厚みのある響きを味わって演奏したいと感じました。また、プリントに、フーガはテーマ提示部と喜遊部が交互に繰り返されるとありました。テーマをどのように弾くか、ということ以外に、喜遊部の弾き方も考えなければいけません。私は喜遊部は弦楽器のアンサンブルをイメージして弾いていましたが、曲全体を見てどのように演奏するかということも含めてさらに考えなければいけないと改めて感じました。この曲は一度弾いたことがありますが、この講座で新しく学んだことや感じたことをふまえてもう一度弾いてみたいと思います。
 後半はベートーヴェンの悲愴ソナタ 第2楽章を4声に分けて演奏し、構成を確認しました。ここで強く印象に残ったのは、内声の刻みです。実際に弦楽器と合わせて弾いた時、内声部に向ける意識が足りなかったということを感じました。内声にメロディーが出てくる部分で、表現の幅が狭くなってしまったことも、聴く、ということの意識の低さが音そのものに出てしまったのだと思います。2つの音のスラーの表現や弦楽器の刻みをイメージして書かれた内声部の弾き方をさらに深く考えて演奏したいと思いました。
 今回の講座で感じたのは、音を出す前に曲の構成をどれだけ理解しているかが本当に大切であるということと、実際に出した音をどれだけ聴けるかが演奏に大きく影響するということです。この2つは、ソルフェージュの授業やピアノのレッスン、他にも様々な場面で何度も言い聞かされて、頭では分かっていましたが、特に2つ目の聴くという作業は、実践するのが難しく感じられます。今回の講座のように1つの楽器の曲を複数の楽器に分けたり、声部を1つずつ歌ってみるなど、ピアノ1つに固執せず、様々な視点から曲を捉えることが良い演奏につながると知り、ピアノ以外の楽器やその楽曲についても理解を深めたいと思いました。テクニック以外の面で、まだまだ勉強することがあると再認識できて良かったです。この講座で学んだことを演奏に反映できるように、これからの練習ではさらに頭と耳を使っていきたいと思います。(1年・ピアノ専攻)
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